湘南ベルマーレが執念のドローでJ1残留を決めた。本拠地に約1万3800人を集め、最後に歓喜の瞬間が訪れた。J2徳島ヴォルティスは後半途中までリードも、痛い失点で2014年以来6年ぶりのJ1復帰を逃した。

J1で16位の湘南とJ2で4位からプレーオフ1、2回戦を勝ち上がってきた徳島が対戦。上位の湘南はホームで戦い、引き分け以上で残留が決定し、徳島は勝利以外はJ1復帰の道がないルールだった。

先制したのは徳島で前半20分だった。左CKをFW野村が蹴り、DF石井が頭で折り返し、ゴール前にいたMF鈴木徳が右ボレーでゴールを奪った。今季のJ2では1点しか記録していない伏兵が、勝負強さを示した。

鈴木徳は前橋育英時代は全国高校選手権で主将として準優勝。筑波大を卒業して徳島で迎えたプロ1年目だった。

徳島は前半5分、自陣でのパスカットから最後はFW河田がドリブルから相手2人にマークされながら右足で最初のシュートを放つ。湘南も同6分、FW松田が左足のミドルシュートで応戦。ともに激しい攻防を見せた。

最低でも1点が必要となった湘南は、後半開始からFW中川に代えて187センチのブラジル人、FWクリスランを投入した。そのクリスランが後半7分、左クロスを頭でシュートを放つがGKに阻まれて同点にはならなかった。だが湘南は攻撃のリズムをつかみ始めた。

後半19分に湘南はMF鈴木のパスをFW山崎が左サイドで受け、クリスランがおとりになり、最後は24歳FW松田が左足で同点ゴールを挙げた。GKと1対1になりながら冷静さが光った。

両軍の激しいプレーはさらに増して終盤へ突入したが、湘南は同点に追い付いて以降は自陣での危機も冷静に対処した。