日大藤沢が試合巧者ぶりを発揮し、2年連続7度目の全国切符を手にした。
立ち上がりから桐蔭学園の両サイドの幅を使った攻撃に受け身となり、押し込まれる展開が続いた中で一瞬のスキを突いた。
前半20分、敵陣でボールを奪うとMF諸墨清平(3年)へつなぎ、前線へ相手DFの頭上を通すダイレクトパスを送る。FW山上大智(3年)が頭で前方のスペースへ流したボールに対し、MF荻原大地(3年)が後方から走り込み、飛び出してきたGKを浮き球でかわす絶妙のシュートでゴールを奪った。
後半は1点を追う桐蔭学園の攻撃を受けながらも、センターバックの国分唯央(3年)と宮崎達也(3年)が高さと強さを発揮。さらに後半18分には左サイドをスルーパスで破られ、強烈なシュートを打たれる場面もあったが、GK野島佑司(3年)がファインセーブ。再三、ゴール前に押し込まれる中でも、全員でハードワークを繰り返し、次々とボール奪取。相手の攻撃をシャットアウトし、最少得点で勝利した。
夏のインターハイで全国準優勝の桐光学園、同じく全国3位に入った日大藤沢と強豪校がそろい、全国屈指の激戦区。その中で連覇を達成したことに、佐藤輝勝監督も選手たちの頑張りを称えた。「厳しい戦いの中で、いい守備から入れた。球際で一歩も引かなかったことが大きかった」と勝利のポイントを挙げた。
日大藤沢は層の厚さが持ち味だ。どのポジションにも能力の高い選手がそろい、ベンチに座る選手もレギュラーと遜色ないのが強みだろう。「日替わりヒーローが出る」(佐藤監督)のが日大藤沢というチームだ。
昨年から10番を背負い準決勝の湘南工大付戦でハットトリックを決めたMF安場壮志朗(3年)や、来季のJ2水戸ホーリーホック入りが内定している左サイドバックの尾野優日(3年)。また、現在インドネシアで行われているU-17ワールドカップ(W杯)に日本代表として参加しているMF布施克真(2年)もいる。
そんな中、今回の予選で布施に代わりボランチのレギュラーをつかんだ背番号16のMF荻原が、この大一番で決勝ゴールを挙げた。守備力とビルドアップを持ち味とする中盤の底タイプだが、ここぞの場面で布施さながらに前線へ飛び出す攻撃的な動きを披露。「公式戦では初ゴールです。この大舞台で決められるなんて格別な思いです」と控えめに喜んだ。
さらに2枚のボランチには献身的なプレーが持ち味の主将の佐藤春斗(3年)もおり、布施がチームに帰ってくればレギュラー争いが一気に激化する。それでも荻原は「いいライバルだけど、自分も負けてられない」と意欲を見せる。
佐藤監督も「克真(布施)がいなくて痛いよね、って言われるけど、全然痛くない。毎回、誰かがやってくれるし、そう信じている」と強調した。
チームとして初めての神奈川予選2連覇だが、すぐに気持ちを切り替えている。現状維持はマイナスだと日頃から選手たちに説く。それだけに佐藤監督は「プレッシャーがかかる中で、選手たちがぶれずに戦ってくれた。ただ、もうそれは捨てないといけない。同じことをやれば神奈川で3連覇、全国でも勝てるなんて思っていない。良かったことを勇気を持って捨てて、さらに自分たちに磨きをかけられるようにやりたいなと思います」と誓う。
目標に掲げる全国制覇へ、この1カ月半でチーム力はさらに高まりそうだ。



