女子SPは宮原知子(関大)が74・36点で3位につけた。

 平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)以来となる実戦での「SAYURI」を滑り終え、宮原は少しほほ笑んだ。鍵を握る冒頭のルッツ-トーループの連続3回転ジャンプは「『ウッ』となった」と2つ目が回転不足。それでも以降のジャンプは加点が付き、3つのスピンとステップで全て最高評価のレベル4を導き「落ち着いて演技できた」と丁寧に滑りきった。

 SP3位と好位置につけ、15年銀以来2度目のメダルが見えてきた。4位入賞の五輪に続き、大舞台で力を出す裏にはリラックスして試合を楽しむ力がある。シャイな自分を変えようと、数年前から出水トレーナーとガッツポーズや一発ギャグを練習。今では「35億」と、お笑い芸人ブルゾンちえみのまねをして周囲を笑わせる柔軟性とユーモアを身につけた。SP前日も、バスの中から報道陣に向かって両手で大げさにガッツポーズする余裕があった。3年前より、数段成長した姿で再び表彰台に立つ。