17日に閉幕したパラノルディックスキーワールドカップ(W杯)札幌大会で、男子立位の18歳のホープ、川除大輝(日立ソリューションズJSC)が、金と銅の2つのメダルを獲得した。16日の距離の10キロ・フリーで2位スクピエン(ポーランド)に10秒以上の差をつけて、W杯の日本勢では17年平昌大会の新田佳浩(日立ソリューションズ)以来の優勝を果たし、た。翌17日の5キロ・クラシカルでは第一人者の新田(4位)を抑えて銅メダルを手にした。

川除は先天的に両手指の一部欠損でストックを使わずに滑る。身長162センチと小柄だが、もともと上腕が強く、大きな腕の振りを推進力に結びつける。昨年の平昌大会で日本選手団最年少の17歳でパラリンピックデビュー。2種目に出場して、20キロで9位と目標にしていた入賞をあと一歩で逃した。前半は積極的にレースを進めたが、気温上昇で雪が重くなった後半に失速した。

今季は終盤までスピードを持続するようにフォームを改善し、健常者の大会にも出場してレース経験を積んできた。今年2月の世界選手権で金と銅の2つのメダルを獲得して、この1年間の成長を結果で示した。4月からは日大に進学してスキー部で健常者とともに練習する。「来シーズンは今までよりいい環境に進めるので、たくさんトレーニングを積んで総合優勝したいです」と川除。22年北京パラリンピックへ、期待の成長株がさらにスピードに磨きをかける。