ラモントマルチェル・ヤコブス(26=イタリア)が9秒80で制し、「ポスト・ボルト」時代の新王者に輝いた。

19年世界選手権覇者のコールマンが薬物規定違反による資格停止を受けて欠場、そして同2位ガトリン(ともに米国)も代表落ち。2人の有力選手は東京にさえたどりつけなかった。この日も優勝候補のトレイボン・ブロメル(米国)やヨハン・ブレーク(ジャマイカ)が準決勝で敗退した。五輪3連覇のウサイン・ボルト引退後の初五輪。波乱含みの混戦レースを制し、新たな最速男が誕生した。

◆ラモントマルチェル・ヤコブス 1994年9月26日、米テキサス州生まれ。幼少期に母の母国イタリアに移住した。18年欧州選手権11位、19年世界選手権は準決勝で落選。21年世界リレーの男子400メートルリレー2位に貢献。趣味はF1観戦とバスケットボール観戦。憧れのスポーツ選手は英国人F1ドライバーのルイス・ハミルトン。愛称は「クレージー」。