東京五輪男子マラソン代表の大迫傑(30=ナイキ)が4日、オンラインで取材対応し、現役最後だとSNSで表明していた8日のレースに向けて、「引退」という言葉は用いず、独特の表現で心境を語った。女子の一山麻緒(ワコール)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)、前田穂南(天満屋)の3人も7日の本番に向けて意気込みを語った。

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現役最後のレースだが、「引退」という表現はあえて使わない。7月29日、大迫は自身のSNSで突然、「8月8日のマラソンを現役選手としてのラストレースにします」と発表していた。その表明以降、初めてとなった会見。自らの口で何を語るのか-。注目されたが、大迫は、どこまでも大迫だった。

現役引退を決断をしたタイミングについて問われると、「いつとかはない」と説明。「YouTubeに投稿したように、ああいうきれいな形で出していくというか、『引退』という言葉として、魅力を感じなかったというか…」と1度聞いただけでは理解できないような独特の言い回しで説明。「意思とか、こういうことを感じながら競技しているんだということを、皆さんに知ってもらえたら」と続けた。

最後のレースは大会最終日の8日。この日を含め、現役でいられるのは5日間しかない。「いろいろな感情があるなかで、(自分を)客観視して見られているかなと思う。冷静な気持ちで、いつも通り残り4日を過ごしていきたい」。日本記録を2度更新した前日本記録保持者は、平常心を強調し「引退」と言わないまま、レースに臨む。