金メダルを期待されている男子400メートルリレーの日本は、わずか「0秒02」の薄氷の突破となった。予選1組で38秒16でジャマイカ、英国に次ぐ3着。同組で38秒18の4着だったフランスは落選した。

予選突破は組3着までと、4着以下の上位2カ国が条件。日本の入った1組より2組の方が好記録が出ていた。2組は4着ドイツが38秒06、5着ガーナが38秒08、6着米国が38秒10。いずれも日本の記録を超えてきた。ドイツ、ガーナは2枠のタイム順で拾われたが、日本より速かった優勝候補の米国は通過できなかった。たらればだが…日本はフランスに抜かれていたら、決勝には進出できていなかった。全体では9番目のタイム。まさにギリギリのレースだった。

とはいえ、日本は予選に“安全バトン”で挑んでいた。バトンワークで、次走者がスタートを切る位置を通常よりも「半長足から1長足」の20センチ前後縮めて、まずミスのしないことを最優先とした。それは決勝へ向け、タイムを縮める伸びしろがあることを意味する。

第1走者だった多田修平(25=住友電工)は「もっと攻めたバトンで金メダルを目指したい」と話した。第2走者だった100メートル日本記録保持者の山県亮太(29=セイコー)は「(予選の)バトンは互いに安心して出られるようにと調整していた。明日はもうちょっと攻められる」と力を込めた。第3走者で好走した桐生祥秀(25=日本生命)は「僕はリレーをしにきた。他国もタイムを上げてくると思うが、それ以上に日本のタイムを上げたい。燃え上がる走りをしたい」と言い、5月に痛めたアキレス腱(けん)も「問題ない」と強調した。アンカーだった小池祐貴(26=住友電工)は「タイムはもっともっと上がってくる」と語った。

8カ国で争われる決勝で、日本の予選通過タイムは最下位。レーンは大外の9。まさに悲願の初金メダルを目指す決勝(6日午後10時50分)は、下克上の戦いとなる。

決勝

レーン 国 予選タイム 予選組着順

2 ガーナ 38秒08 2組5着

3 ドイツ 38秒06 2組4着

4 カナダ 37秒92 2組2着

5 ジャマイカ 37秒82 1組1着

6 英国 38秒02 1組2着

7 中国 37秒92 2組1着

8 イタリア 37秒95 2組3着

9 日本 38秒16 1組3着