東京五輪の野球日本代表で、侍ジャパンの強化合宿に参加している鹿部町出身の日本ハム伊藤大海投手(23)が20日、同代表のエースで駒大苫小牧高の大先輩、楽天の田中将大投手(32)の金言に感謝した。一般非公開の強化合宿は19日に仙台市の楽天生命パークで始まり、この日が2日目。中継ぎとして期待されている伊藤は、同球場で行われる25日巨人との強化試合で登板の見込み。

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侍の強化合宿2日目。追加招集による“ラストサムライ”としてメンバーに加わった日本ハムのルーキー伊藤の表情は、幾分、柔らかくなっていた。「昨日よりは気持ちも楽にグラウンドに入れた」。炎天下で行われた練習では、強めのキャッチボールのほか、ランニングなど中継ぎ投手として調整。25日巨人との強化試合で“日の丸デビュー”する予定で「自分のペースを乱さず、しっかりと準備をしていきたい」と意気込んだ。

球界最高峰のメンバーが集ったチームの中、ひときわ注目を浴びるのが、駒大苫小牧高の大先輩となる楽天田中将だ。「ごあいさつをした程度」と、そのオーラに、どこか及び腰の伊藤だったが「プロ野球でもメジャーでもいろいろな経験をされているので、邪魔にならないように、聞けることはどんどん聞いて自分のものにしたい」と意欲十分。田中将はさまざまな助言をメンバー全員に向け発信しており「海外の選手と戦う中での対策を、細かく皆に伝えていただいている。大会でも生かしていきたい」と、感謝した。

晴れ舞台へ向け「手のひらのところに、日の丸の刺しゅうを入れてもらった」という特注グラブも完成した。大学ジャパンで一緒にプレーした昨季セ新人王の広島森下とキャッチボールを行ったり、昨季パ新人王の西武平良やDeNA山崎らブルペン陣とも談笑するなど、代表チームに溶け込んでいる。「悔いが残らないよう1球1球、1試合1試合、しっかりやりたい」。本番への期待感が、日に日に高まっている。