まるで漫画の世界のような信じられない1球だった。先発の上野由紀子投手(39=ビックカメラ高崎)が金属バットをへし折った。

2回表1死一塁。6番ポリドリ・エリカ外野手の内角をえぐった。ボールはバットの根元に直撃。次の瞬間、バットは真っ二つに。木製なら、ある光景だが、まさか金属で…。打球は上野への力ない飛球となり、飛び出していた一塁走者も戻れず、併殺となった。

6回無失点で勝利にも貢献した試合の後には“レベチ”の言葉で振り返った。

「また折れちゃったという感じです」

実は06年世界選手権でもバットを折っている。

「詰まらせたくて、重い、回転あるボールを投げた結果、ああいう形になった。前回、折った時も折れた時に投手の方に飛んできた。想定内で冷静に対処できてよかった」。さも普通のことかのように言った。