阪神矢野燿大監督(52)が、東京オリンピック(五輪)で7日の決勝に挑む侍ジャパンの梅野、青柳、岩崎の3人の虎戦士に熱いエールを送った。

監督自身も08年の北京五輪で重圧と闘っただけに、「見てられへんよ。気持ち的に」と思いやった。「ここまできたからね。何とか最後勝って、日本球界のためにも金で帰ってきてくれることをね。応援することしかできないけど」。もちろん期待は悲願の金メダルだ。

4日の韓国との準決勝で、山本を救援した2番手岩崎がいきなり同点打を許した。だが「あの後、しっかり抑えて流れが来たと思う」と、後続を2者連続三振に仕留めたことが勝ちにつながったと評価。チーム最多8勝の青柳も中継ぎ登板した2戦とも失点し、悔しい五輪になっている。だが「ヤギみたいに打たれたことも、あいつらにとっても、チームにとってもプラスになる。青柳が違う部分で盛り上げたりというのもすごく大事な部分」とこちらも評価。結果が出なくても、3日が49歳の誕生日だった稲葉監督にバースデーソングを歌うなど、チームのために一生懸命な行動がうれしかった。

2日の米国戦でマスクをかぶった梅野に連絡を取ったことも明かし「ここからもう1戦頑張ってくれよ」と短く思いを伝えた。「俺は北京で野球をやるのが怖いと初めて思った。真剣勝負で日の丸を背負う。特別な場所なんで、経験するかしないかは(全然違う)」。自身が届かなかった金メダルを胸に、3人がたくましく帰ってくることを楽しみにしている。【石橋隆雄】