ボクシング女子フライ級で18年世界選手権銅メダルの並木月海(22=自衛隊)がメダルを確定させた。準々決勝で16年リオデジャネイロ五輪銅メダルのコロンビア選手に5-0の判定勝ち。3位決定戦がないため、表彰台が決まった。女子は3日に決勝を戦う女子フェザー級の入江聖奈(20)に続き、2人目のメダリストが誕生。男女通じて12年ロンドン五輪以来の複数メダルとなった。

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並木には永遠の「ライバル」がいる。幼なじみのキックボクシング界の「神童」那須川天心だ。

4歳で始めた空手。初試合だった千葉県の地域大会決勝で対戦したのが、那須川だった。「一瞬で負けて覚えてない」と笑うが、それから仲良くなり、家族ぐるみの付き合いに。合同練習も度々してきた。那須川は並木のパンチ力の源を空手のキックで鍛えた下半身の力を、うまく拳の先に伝えていると分析する。

いまや日本格闘技界の顔とも言える親友に、「憧れというより追い抜きたい」と豪語する。その絶好の舞台は五輪以外にはない。「天心は格闘技界を引っ張っている。私も女子ボクシングを少しでも知ってもらいたいと思ったのも、天心が頑張っているから。自分も金メダルを取りたい」。その目標が現実味を帯びてきた。