国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が広島市を訪問した16日、平和記念公園周辺では市民団体の抗議活動が行われた。

原爆ドーム前では「どこが平和の祭典だ? 被爆地を利用するな!」と書かれた横断幕を掲げ「バッハは来るな! 今すぐ帰れ」と声を上げる市民団体も。「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」の門田直子さん(広島市=38)は「オリンピックを正当化させるようとするIOC、日本政府への反対を示すための行動です」と説明した。

バッハ氏は広島市内の平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花して原爆資料館を見学する予定。門田さんは「被爆の実情を見てほしいという思いがある」と前置きしながら「それを何か平和の祭典のキャンペーンに使われるのであれば趣旨が違うと思う。平和は人命が第一だと思う。人命を軽視した欺瞞(ぎまん)的な五輪を行うバッハ氏には今すぐ帰ってほしい」と話した。

午後1時、平和記念公園周辺では別の市民団体も抗議活動を始めた。