2連覇を目指した日本が、わずか0・103点差に泣いた。 262・397点を記録し、262・500点のROC(ロシア・オリンピック委員会)に次ぐ銀メダル。そろって初出場の萱和磨(24)、谷川航(24=ともにセントラルスポーツ)、橋本大輝(19=順大)、北園丈琉(18=徳洲会)が健闘した。

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言葉をかけるとするならば「よくやった」でしょうね。全員が初出場で2人が10代という若いチーム、最後まで僅差の中で戦い抜いたということが、最高の経験にもなる。展開的にはよかったし、特に大きな過失もなかった。実力的には中国はもちろん、ロシアにも負けていなかった。

ロシアとの差は、0・103差。本当にわずかで、どこでも取れる差。それを選手がどう感じるかだと思う。橋本のラインオーバーでも、北園のあん馬の降りでも、どこでも詰めることはできた。どこが悪かったというわけではないけれど、あと少し。「0・1点の重み」を感じることができれば、普段の練習も変わってくる。やるべきことが見えてくるから。

リオデジャネイロ五輪では、日本が4位から逆転優勝した。ライバルたちは悔しい思いをしたと思う。それを、今回は日本が経験した。「残念だった」「惜しかった」ではなく、この0・1点を取り切る練習をしなければいけない。10代の2人がこの経験を積んだのは、日本にとって強み。それが、これからの伸びしろになる。(04年アテネ五輪団体金メダリスト)