19年世界選手権優勝でメダルの期待を集めた森ひかる(22=金沢学院大)が予選落ちした。

 

4つの指定種目を含む10回の跳躍を行う第1自由演技では、前後にぶれる場面が目立ち、47・350点で1班8人中7位と出遅れ。2班終わって11位で迎えた第2自由演技では、演技を途中中断。16・425点に終わり、合計63・775点で上位8人が進む決勝に進めなかった。

 

試合後は「1カ月前からジャンプが怖くなって…」と大粒の涙を流しながら告白した。期待にうれしさを感じながら、同時に「苦しかった。どんどん苦しくなった」。調子が上がらず、調整もうまくいかなかった6月のイタリアでの国際大会で優勝したことで、さらに高まった周囲の期待が追い打ちをかけた。「ジャンプも跳べなくなって、本当にこの舞台にたてるのかなと」。コーチには「やめたい」と打ち明けたこともあったという。

それでも気持ちを踏みとどまって、初の五輪を戦った。予選が終わり。決勝の演技を見ている時には「もう頑張らなくて良いんだなと安心できた」という。「自分のベストの演技をすることができなくて本当に悔しい。残念な結果になったけど、ここまでくることができて感謝しています」と前を向いた。