18、19年世界女王の阿部詩(21=日体大)が決勝でライバルのブシャール(フランス)を下し、金メダルを獲得した。延長戦の末、抑え込みで勝利。同階級の金メダルは日本初となる。準決勝ではジェフリダ(イタリア)を延長戦の末、技ありで下して決勝進出していた。

阿部は16年12月のシニアデビュー以来、攻撃型の柔道で白星を重ね、18年世界選手権では兄一二三ときょうだい優勝を果たした。19年11月のグランドスラム(GS)大阪大会でライバルのブシャールに屈して東京五輪代表内定を逃したが、精神面の成長を促した。

技の威力とスピードが最大の持ち味で、得意の担ぎ技を生かすための足技にも磨きをかけた。初の夢舞台に向けて「絶対的な強さを手に入れることが『怪物』と呼ばれるための第1歩。五輪では絶対的な強さで優勝したい」と語っていた。

◆阿部詩(あべ・うた)2000年(平12)7月14日、神戸市生まれ。5歳で柔道を始める。兵庫・夙川学院高-日体大。17年世界ジュニア選手権優勝。18、19年世界選手権優勝。世界ランク3位。右組み。得意技は袖釣り込み腰と内股。座右の銘は、努力なくして成功なし。好きな食べ物は焼き肉。趣味はカラオケ。158センチ。