18年世界選手権覇者で初出場の芳田司(25=コマツ)が銅メダルを獲得した。3位決定戦でリパルテリアニ(ジョージア)から合わせ技で一本勝ちした。1分過ぎに得意の内股で技ありを奪い、さらに攻め続けると、再び内股で技ありを奪い、合わせ技による一本で銅メダルをつかんだ。スタミナと得意の内股を武器に実績を積んできた。自国開催の舞台で強力な海外勢と渡り合い、表彰台に上がった。

芳田は「絶対、銅メダルは取るぞと思っていました」と、涙をこらえながら試合を振り返った。

初戦となった2回戦で盧童娟(中国)を一本背負い投げで一本勝ち、準々決勝ではネルソンレビ(イスラエル)から袖釣り込み腰で技ありを奪って優勢勝ちを収めた。しかし準決勝で過去4戦全勝を挙げていたジャコバ(コソボ)に延長戦の末に敗れて敗退。「金メダルを目指していたので、悔しいです。まだまだ力が足りないと思います」と両肩を震わせた。

芳田は12年ロンドン五輪金メダルの松本薫さんの「2番手」として陰に隠れていた逸材。同じ所属で16年リオデジャネイロ五輪女子63キロ級代表の田代未来の付き人として現地へ同行し、「私も同じ舞台に立ちたい」と東京五輪を意識するようになった。

気が小さい性格で闘志を内に秘め、松本さん引退後は内股を武器に着実に結果を出してきた。3位決定戦勝利後には「悔しいです」と2度、言った。同階級で日本勢2大会ぶりの金メダルは逃したものの、初出場の五輪舞台で堂々の戦いをみせた。