男子組手75キロ超級の荒賀龍太郎(30=荒賀道場)が銅メダルを獲得した。

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<香川政夫氏の解説>

荒賀の戦いぶりには気概が感じられた。ただ、以前から痛めている膝の状態はやはり万全ではなかったようで、蹴り技が少なく、相手の懐へと思い切って飛び込んでいくシーンも見られなかった。準決勝では初対戦の相手に慎重になりすぎたことが勝敗を分けた。

植草は開き直って試合に臨んだ後の2試合は、本来の持ち味が出ていた。一方で出だしの2連敗は、戦術や戦略にこだわりすぎた印象を持った。

今大会の組手陣全般の印象として、自分を追い込む練習を積めていなかったのではと感じた。ここ数年は世界各国で行われるプレミアリーグを転戦していたことで、疲労が蓄積し、けがにつながることが多かったことが影響していたとも思う。

大会前には、コロナの影響もあり、代表メンバー全員で練習する機会がなかったとも聞いている。ナショナルチームとしての団結力がなければ、どんな大会でも勝つことは難しい。五輪のような特別な舞台ではなおさらだ。金銀銅1個ずつに終わった今大会の結果は残念だ。このままでは世界との差が開く一方で、強い危機感を感じている。(帝京大空手道部監督)