東京五輪・パラリンピック組織委員会は9日、1都3県(埼玉、千葉、神奈川)の五輪会場が無観客となったことを受け、有観客で実施するセッション数が当初の約4・5%となった資料を公表した。チケットを売り出していたセッションはもともと750あったが、東京都などが無観客となったことで34セッションにまで激減した。

無観客となったセッションや、再抽選で無効となったチケットの払い戻しは、手続きをしなくても自動的にパラリンピックが終わり次第順次、支払われる。有効チケット保有者で払い戻しを希望する人は今月10日未明から20日午前11時59分まで、公式チケット販売サイトで受け付ける。

鈴木秀紀マーケティング局次長は「今回、観戦できないチケット保有者から記念にぜひ手元に(チケットなどが)欲しいという声をたくさんいただいている。そういった方々にどういった対応できるか考えていきたい」と、無観客や再抽選で観戦機会を奪われた人々に対し、何らかの対応を検討していることを示唆した。

前日まで未定だった北海道もこの日、有観客を決定。ただし、午後9時以降については結論が出ず、後日の発表となった。いずれも札幌ドームで夕方から行われる男女サッカーだが、同9時以降が無観客となれば2試合ある内の前半1試合のみを観戦できることとする。2試合目は観戦できないが、その分のチケット代払い戻しは認められない。

○…北海道の鈴木知事が定例会見を行い、有観客が決定した東京五輪の札幌ドーム開催について言及した。組織委員会には、(1)首都圏1都3県からの観客の来道を避ける対策(2)首都圏以外のチケット保有者の来道前PCR検査の実施(3)午後9時以降は無観客、の3点を求める姿勢を示した。同会場で21、24日午後7時半開始予定の女子サッカー日本代表のカナダ、英国戦など、終了が午後9時を過ぎる試合が組まれている。対応については「詳細についてはもう少し調整することになる」と話していた。