上半身裸のトンガ人旗手、ピタ・タウファトフア(37)が2016年リオデジャネイロオリンピック(五輪)、18年平昌五輪に続いて、東京五輪でも旗手を務めた。3大会連続で裸の上半身に油を塗った民族衣装姿、コロナ禍の今回はマスクをつけて登場。東京でも強烈なインパクトを与えた。

裸の上半身にオイルをテカテカに塗った姿で国旗を持って入場した。3年前の平昌では氷点下2度の中、16年リオデジャネイロ五輪の開会式も同様の姿で注目を浴び、競技はテコンドーに出場。東京では2大会連続でテコンドーに挑む。

「やればできる」がモットーだ。平昌五輪では3カ月前から始めたばかりのスキーに挑戦。完走者のうち下から3番目の成績だったが「転ばなかったよ」と前向きな姿勢を保った。飽くなき挑戦には理由がある。ホームレスを支援する施設で働いたことがあり、困難を突破する姿を見せることで「やればできる」というメッセージになればと考えている。

今大会はテコンドーのみの出場だったが、当初はカヌーのカヤックでも出場権を狙っていた。コロナ禍の影響で予選に出られないなどの不運もあり、テコンドーとの2競技出場は逃したが、不屈の姿勢を見せてきた自負はある。コロナ禍で無観客となった国立。入場行進では旗手として「やればできる」との熱い思いを映像を通して、世界にメッセージを送った。

 

◆ピタ・タウファトフア 1983年11月5日、オーストラリア生まれ。父はトンガ人、母はオーストラリア人。幼少のころ、トンガへ移住。16年リオデジャネイロ五輪で、トンガ人として初めてテコンドーに出場(初戦敗退)。18年平昌五輪の距離15キロフリーが下から3番目の114位。191センチ、100キロ。