東京パラリンピックが開幕した24日、開会式の会場となった国立競技場(東京都新宿区)周辺では、開催に反対する団体が抗議デモを行った。

午後7時ごろ、開会式会場から約500メートル離れた秩父宮ラグビー場前には抗議デモの団体が約50人集まった。コロナ感染が拡大する状況で「今すぐやめろパラリンピック」「命を守れ、強行するな」など、拡声器を使い大音量で主張した。参加者が規制線を突破しようとして、警察ともみ合うひと幕もあった。午後8時ごろ、開会式が始まると参加者らの怒りはさらにヒートアップ。声を荒らげ、罵声が飛び交い、物々しい雰囲気に包まれた。デモ隊の1人は「仲間が警察にけがをさせられた。頭から血を流していた。警察帰れ。仲間を返せ」と興奮状態で声を荒げ、周囲に緊張が走った。デモ団体は約2時間主張を続け、午後9時ごろに撤退した。

東京五輪の開・閉会式のときは、お酒を片手に式のライブ中継をパブリックビューイングのように観戦する雰囲気の下、大勢の人が集まっていた。五輪開催に反対する団体も集結し、抗議のシュプレヒコールを上げてはいたが、警察との目立った衝突はなかった。花火が上がる度に「おーっ」と歓声が上がるなど、むしろ楽しむ雰囲気すら漂っていたのだが…パラリンピックの開会式ではそのような姿は見られなかった。怒気を強めた抗議の声が響き、警察と衝突する事態にまで発展した。【沢田直人】