東京パラリンピックのトライアスロンPTS5(運動機能障害)で10位だった谷真海(39=サントリー)が2日、都内で取材に応じ、自身のSNSで投稿した話題の写真について説明した。ビートルズの「アビイ・ロード」のジャケットをほうふつとする光景には、谷も含めてさまざまな障がいのある仲間たちが収まる。「みんなちがって、みんないい」。写真とともに寄せたコメントの真意とは?

7人の代表選手たちが選手村内の横断歩道を渡る写真をツイッターで投稿すると、既に2万8000件以上のいいね、5000件超のリツイート。大きな反響があがった。車いすに乗ったり、片腕がなかったり、視覚障害があったり。選手たちの置かれた状況はさまざまだが、写真から伝わってくる様子は明るく、ひたむきな姿だ。

谷は「オリンピック選手たちが撮っていて、私も選手村に入ったら撮りたいと思っていました」と撮影の経緯を説明。その上で「パラリンピックではいろんな障がいのある人がいるのは自然なことなんですけど、写真で見ると普段目にする光景ではないのかも。1人1人の個性が現れていて、良いなと思いました」と笑顔を浮かべて振り返った。

13年9月の東京大会招致プレゼンでのスピーチから携わってきた。障がい者として、母として、そしてパラアスリートとして。この8年間の足取りを感慨深げに振り返る谷の顔には充実感が広がっていた。今後について「オリンピックとパラリンピック、障がいあるなしとか。ブリッジ(架け橋)になりたい」とし、「スポーツの力をより多くの人に伝えていきたい」と胸を張った。

コロナ禍で大会に関わることが発言しづらい時期もあったが、パラスポーツを通じてあらゆる違いを認め合う機会につながったのではないかと期待する。谷は「子どもたちが世界を身近に感じ、自分の力を信じることにつながったら」と願っていた。