東京五輪・パラリンピック組織委員会の中村英正大会開催統括(53)が7日までに日刊スポーツのインタビューに応じ、5日に閉幕した東京大会を総括した。14年5月に財務省から組織委に赴任し、現場のトップとして大会中はメインオペレーションセンターを束ねた。約7年半に及ぶ準備、運営は新型コロナウイルスによる初の延期を経験するなど苦難の連続。無観客を決断した際は「もん絶していた」と振り返った。【聞き手・三須一紀、木下淳】
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-東京大会のレガシーとは何か
「パラの閉会式で象徴的なシーンを見た。英国の選手団が踊りながら各国選手団の旗手を出迎えていた。ホスト国でもないのに。パラが成功した12年ロンドン大会から9年が経過してもその気持ちや社会が維持されている。日本も2大会後、英国のように自発的に行動できる社会になっていればと思う」
-開催した意義はあったか
「意義はまだ決まっていないのだと思う。開催したことを後世で生かせれば、コロナ禍に無理して大会をやった意味がある。あの競技に感動した、開会式がかっこよかっただけでは、ただのひと夏のイベントになってしまう。それでは後世に『コロナ禍でそこまで無理してやる必要があったのか』と検証されてしまう」
-意義は生まれそうか
「社会は変わっていくと思う。多様性について授業で習うこともあるが、やはりスポーツの力はすごく大きい。パラ選手の活躍を見て、すごいことができるんだと思ったし、それが自分たちの力になる。1人ひとりに違いがあってそれを認め、良い社会をつくっていこうという気づきが生まれたと思う」
-組織委は来年には解散してしまう。生かすのは国? 都? それとも国民が自発的にそうなっていくのか
「国も都もそうだが、解散した後の組織委職員がそれぞれの社会に戻った時に、それを広げていってくれるとも思う。より多様性があり寛容な社会にしていこうと思ってやっていってほしい」
◆中村英正(なかむら・ひでまさ)1967年(昭42)12月12日、スイス生まれ。91年東大法学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。在米大使館、フランス・パリにある経済協力開発機構(OECD)などを経て14年5月に組織委に赴任した。







