自転車の新種目、BMXフリースタイル・パーク男子決勝で、初代王者に挑んだ19年W杯総合優勝の中村輪夢(19=ウイングアーク1st)は85・10点で5位だった。

1回目の中盤だった。持ち技の中では難度が落ちる後方宙返りの複合技の着地で足をついた。「マジかと思った」。大きく減点された。今まで、ミスしたことがない技での失敗に「まさかミスるとは思わなかった」と9人中6位発進。2回目も不本意な出来で、メダルには届かなかった。

昨年9月に、左足のかかとを骨折した。手術に成功し、5月のジャパンカップで復帰した。しかし、この2週間で痛みがぶり返した。「痛み止めもテーピングもした」。五輪で初披露しようと用意した2つの新技は、「1つは中途半端。2つ目は出せなかった」。横2回転しながら1度手を離し、さらにハンドルを1回転させる大技は成功したが、後方宙返りしながらハンドルを左右に計3回転させる難技は回転が足りなかった。

19歳の若武者は、「(かかとの痛みは)言い訳になる。自分の実力不足です」ときっぱり。「目指していたのはここじゃない。結果を残して(BMXを)有名にしていきたい」。輝く金の夢は24年パリ五輪に取っておく。

○…女子の大池は75・40点で9人中7位に終わった。1本目で、ジャンプの時に後輪を障害物に引っかけ転倒。13・40点で最下位スタートとなったが、2本目はしっかりまとめ7位に食い込んだ。結果は残せなかったが、「1番の目標である楽しいライディングを見せることはできた」と笑顔だった。