東京五輪のサッカー男子日本代表を率いる森保一監督(52)の長崎日大高時代の恩師である下田規貴(きよし)元監督(74)が、自国開催の祭典で金メダルを目指す教え子にエールを送った。日本は25日午後8時から1次リーグ第2戦で強豪のメキシコと対戦(埼玉スタジアム)する。日本は南アフリカに、メキシコはフランスに、ともに初戦を制している。

【取材、構成=岡崎悠利】

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南アフリカとの初戦はよく勝ち点3をもぎ取った。ただ、いつものようなもっとアグレッシブな試合が見たい。チームの前評判もいい中で初戦の固さは感じたが、1つ試合をしたことでよりよくなるだろう。

森保は本当に誰とでも仲良くできる、面倒見のいい性格だった。当時は周りにたばこを吸うような生徒もいたが、そんな連中からも慕われるような、器量の大きさがあった。今も選手やスタッフとのコミュニケーションを非常に大切にしているようだし、昔から変わっていない。

仲間思いなところはピッチでも出ていた。チームメートが削られたときには、プレスの強度がまるで変わった。普段のニコニコしている姿からは想像できないくらいに。ここぞというときににじむリーダーシップは他にないものがあった。代表監督は批判にさらされることもあるが、自分が何か言われる分にはかまわないという覚悟がある。

コロナ禍でチームを育てることにも苦心が多くあったと想像する。大会が開催された以上、感謝を持って、悔いなく駆け抜けてほしい。1人のサッカー人としては金メダルを期待しているが、個人的には結果がどうあれ、母校の誇りであることは変わらない。