チリは前半は日本のパスワークについていくことができず、いいようにやられる場面も多かった。だが後半は日本の攻撃に適応。逆にカウンターから何度か好機をつくった。

0-0の同24分にはMFララ(ビリャレアル)のヘディングシュートがバーを直撃。そのまま真下に落ちてバウンドした。ラインはぎりぎり割っておらず、得点にはならなかった。そのすぐ後に日本のFW田中に決勝点を奪われ、初出場の五輪を3戦全敗で去ることになった。

何度も好セーブを見せた主将のGKエンドレル(リヨン)は試合後「自分の意見としては、あれはゴールだったと思う。でも今ここで文句を言うつもりはない。ああいうプレーが勝負の分かれ目になるのは分かっているけど、試合は終わってしまったから」とした上で「私たちはチリで応援してくれている人々の愛をすごく感じられた。朝早くから起きて応援してくれた人々に感謝をしたい」と、現地午前7時からテレビの前で声援を送ったサポーターに感謝した。

女子のチリ代表はワールドカップ(W杯)出場も19年フランス大会の1度だけ。レテリエル監督は「まだチリの女子サッカーは発展途上。今日、国を代表して戦った選手たちは、障壁やバリアーを乗り越えてここにたどり着いた。世界トップ10のチームと戦うことは簡単ではないし、全力を出し切った選手たちを誇りに思う」とたたえた。エンドレルも「ここがスタート。来年には女子南米選手権があるし、サッカーをプレーしたいという少女たちのためにも、チリの女子サッカーをもっと盛んにしていきたい」と話した。