サッカー男子で日本が、実に53年ぶりのメダルをかけ、スペインと準決勝で対戦する。

ワールドカップ(W杯)と五輪で優勝経験がある欧州の強豪に、日本が挑む。日本の五輪での最高成績は釜本邦茂らを擁した1968年のメキシコ五輪での銅メダル。W杯は16強。

今夜の一戦は、日本サッカー史に残る歴史的な大一番となる。

スペインも盛り上がっている。

3日付スペインのマルカ紙は1面でFWラファ・ミルの和服姿の写真を大きく掲載。「mirando a las medallas(メダルを見ている)」の文字の「mir」の部分だけ色を変えて、ミル本人の名前とかけた見出しをつけた。

写真は選手村に木製の五輪マークの前で撮影され、和服姿のミルが胸の前で日本人のように手を合わせているもの。日本との準決勝へ向け、興味をひくものとなっている。

さらに「久保を止める必要あり」と見出しを付け、特集を組んでいる。

日本の五輪代表を取り巻く環境について、「久保がレアル・マドリードと契約を結び、東京での五輪開催が広く知られるようになってから、サッカー競技での日本のメダル獲得が必須となった。日本では久保を中心にチームが組まれており、メダル獲得へのプレッシャーが最高潮に達している」と伝え、日本国内で久保に率いられたチームへのメダル獲得の期待が非常に大きいことを強調した。

続けて同紙は、日本サッカーを熟知するヴィッセル神戸所属の元バルセロナのスペイン人MFセルジ・サンペールに日本の印象を聞いている。

サンペールはスペイン戦に向けた日本の戦い方について「日本は技術的に優れているし、ボールを使ったプレーのクオリティーが高いが、彼らはこの手の試合に慣れていないため、後ろに引いてプレーするかどうかは分からない」とコメント。

OA枠については「吉田、酒井、遠藤の3人のベテラン選手をうまく選出しており、彼ら相手にゴールを決めるのはとても難しいだろう」と高く評価。試合の鍵については「日本は攻撃時、久保をフリーにして4-2-3-1でプレーすると思う。そして久保はボールを受け、中でプレーするために、スペインのボランチの脇、おそらくスビメンディの両サイドに入り込むはずだ。もし久保が堂安とうまく連係できれば、スペインは問題を抱えることになるだろう」と分析している。

(高橋智行通信員)