サッカー男子で日本が、実に53年ぶりのメダルをかけ、スペインと準決勝で対戦する。

ワールドカップ(W杯)と五輪で優勝経験がある欧州の強豪に、日本が挑む。日本の五輪での最高成績は釜本邦茂らを擁した1968年のメキシコ五輪での銅メダル。W杯は16強。

今夜の一戦は、日本サッカー史に残る歴史的な大一番となる。

スペインも盛り上がっている。

スペイン紙マルカが3日付紙面で、この一戦に向けた先発メンバーを予想している。

同紙は、ルイス・デラフエンテ監督がホスト国相手に7月31日の準々決勝コートジボワール戦からスタメン2選手を入れ替えると予想。注目は指揮官が攻撃陣のテコ入れを図り、アセンシオを外し、コートジボワール戦でハットトリックを記録した191センチの長身FWラファ・ミルを初先発起用し、これまでセンターフォワードに起用してきたオヤルサバルを所属のレアル・ソシエダードと同じ、本来のポジションである得意な左サイドに配置することだろう。

また、先の欧州選手権でベスト4入りを果たしたA代表メンバー6人全員のスタメン入りが予想される一方、セバージョスとミンゲサは負傷欠場する予定である。

システムは4-2-3-1で、GKはウナイ・シモン、DFはオスカル・ヒル、エリク・ガルシア、パウ・トーレス、ミランダ、ダブルボランチはミケル・メリーノとスビメンディ、攻撃的MF3枚はダニ・オルモ、ペドリ、オヤルサバル、FWはラファ・ミル。

同紙はスペインについて、約2週間前に神戸で日本と対戦し引き分けた時と今回を比較し、「完全に別のチーム」と分析した。その理由について、「当時は欧州選手権に参加した選手たちが合流し、フルメンバーで練習できたのはわずか1回のみで、日本到着後、わずか72時間での対戦だった一方、今は五輪で390分間戦い、日本の環境に順応し、選手たちの多くがまるで昔から一緒にプレーしているようだ」とチームとしての完成度が格段に上がっていることを強調している。

スペインは1次リーグでエジプト、オーストラリア、アルゼンチンと対戦し、1勝2分け0敗の勝ち点5で首位通過。準々決勝コートジボワール戦では敗退の危機にひんしながらも、途中出場のFWラファ・ミルの大活躍により、延長戦の末、5-2で勝利した。

29年ぶり2度目の金メダルを狙うスペインはこの後、日本に勝利した場合は7日に決勝、敗れた場合は6日に3位決定戦を戦うことになる。

(高橋智行通信員)