伊藤美誠(20=スターツ)、石川佳純(28=全農)、平野美宇(21=日本生命)の3人が出場する世界ランク2位の日本が、悲願の金メダルに向けて、初戦を突破した。世界ランク16位のハンガリーに3-0で、3試合で1ゲームすら与えない完勝。準々決勝に駒を進めた。

第1試合のダブルスに出場した石川、平野のペアがチームを勢いづけた。平野は団体戦のみの出場で今大会初出場となったが、石川と息のあったコンビネーションで1ゲームも与えず、勝利をもたらした。

第2試合からのシングルスも盤石だった。第2試合でエース伊藤がストレートで貫禄勝ちを収めると、第3試合に出場した平野が勝って締めた。

個人戦では準々決勝で敗退した石川だったが、気持ちは切り替わっていた。主将、最年長として臨む今回の団体戦。「初戦ということで緊張もあったけど、全員がいいプレーして3-0で勝てたのは自信になった」と振り返った。

次戦の準々決勝は、台湾とアメリカの勝者が相手となる。石川は「明日はまだ相手は決まっていないけど、たくさん対策練習はしてきたので自信を持って戦いたい」と意気込んだ。

16年リオ五輪の代表選考で落選した平野は、初めての五輪に万感の思いがある。「初戦にしてはいいすごくプレーができた。小さいころから目指していた舞台なので、ここの舞台に立てるだけでも、感謝の気持ちを持って臨めたので、すごく良かった」。5年前はスタンドで見つめていた。「すごくプレーしていても楽しくて、オリンピックは特別だなとすごく感じた」と声を弾ませた。

エースの役割を担う伊藤は、銅メダルを獲得した個人戦の疲れを感じさせない内容だった。「この2日間でたくさん睡眠を取れたので、本当に動きが良くて、動けるだけで幸せと感じた」。試合直前にはおにぎりをほおばってエネルギー補給。「練習でいっぱい動いておなかがすくので、試合でパワーを出せるようにおにぎり食べました」と笑顔だった。

12年ロンドン五輪では女子が日本卓球界初のメダルとして銀メダルを獲得し、16年リオデジャネイロ五輪では男子が銀、女子が銅メダルに輝いた。男女ともに中国を倒しての金メダルが目標。3大会連続のメダルに向けて、卓球女子日本が好発進した。

次戦の準々決勝は2日に行われ、世界ランク6位の台湾と同12位アメリカの勝者と対戦する。

勝ち進めば準決勝が3日、決勝と3位決定戦が5日に行われる。

◆東京五輪の卓球団体 3人でチームを構成し、3勝先取。16チームで争われ、日本は女子が第2シード、男子が第3シード。ともに最大のライバルで第1シードの中国とは決勝まで当たらない。