卓球の男子日本代表が団体戦1回戦に臨み、オーストラリアに3-0で快勝した。水谷隼(32=木下グループ)丹羽孝希(26=スヴェンソン)による左利き同士のダブルスがついにベールを脱いだ。

不利と言われる「左左」のペアで、交互に打つ動きの過程で2人が重なり失点する場面もあった。しかし、ともにサーブ、レシーブで相手を圧倒し、1ゲームも与えず勝利した。

この日は相手とのレベル差があったため「サーブレシーブで点数が取れていたので、気になっているラリーという展開にはならなかった」と水谷。動きの場面で何度か2人が重なってしまった点には「正直しょうがない部分。ある程度ヤマを張って先手で取る配球をしていかないといけない」と「左左」の苦しい事情も吐露した。丹羽も「ラリーにならないようにしないといけない」と早い段階での得点が必要と説明した。

張本智和(18=木下グループ)をエースとしてシングルスに2度出場させ、2点を取ることを最優先にするため、不利と言われる「左左」を選択した日本代表。倉嶋洋介監督が最年長の水谷に相談したところ、張本のシングルス「2点使い」をすべきだと進言したという。

その張本はシングルスでまさかの4回戦敗退。そのショックについて「次の日、1日練習を休んで他の競技のテレビ番組を見て切り替えられた」と話した。水谷、丹羽がベンチにいることで「先輩方がいてくれる。最悪、僕が負けてもいいという楽な気持ちで戦えている」と語った。

次戦はスウェーデン。水谷は「強い相手。勝つのは五分五分。全力を出すしかない」と意気込んだ。【三須一紀】