日本男子は「奇襲作戦」に出た。第1試合のダブルスを1回戦の左利き同士から、張本智和(18=木下グループ)と丹羽孝希(26=スヴェンソン)の「右左」ペアに替えた。

世界ランキングは日本が3位、スウェーデンが5位。不利と言われる「左左」では第1試合を落とす恐れがある。調子が上向かない張本を「エース起用」すれば2試合目までに0-2とされるかもしれない。

前日1回戦が正午前に終わり、倉嶋洋介監督は午後いちでオーダー変更を選手に相談。3人は同意し張本・丹羽のダブルス練習を行った。練習はわずか2時間。19年の国際大会で組んだことがあるペアだが、五輪前の代表合宿での練習はなし。「左左、右右と違って右左は慣れてる。賭けではないですよ」と笑った。

「一夜漬けペア」は見事に勝利。ただ、かねて「シングルスで水谷を2点使いする可能性も残す」と話していた。水谷・丹羽の「左左」、張本・丹羽の「右左」と2つのペアを見せたことで、準決勝のドイツも「読みづらくなるだろう」。2大会連続の決勝進出へ、選手の出来に加え、倉嶋采配にも期待がかかる。【三須一紀】