大坂が、母国で悲願の五輪金メダルに一歩を踏み出した。23日の開会式で、世界のテニス選手として史上初めて聖火の最終点火者となった世界2位の大坂なおみ（23＝日清食品）は、同52位の鄭賽賽（中国）に6－1、6－4で勝ち、記念すべき五輪初勝利を挙げた。そして、初のミックスゾーンで「聖火といい、試合といい、本当に夢のよう。悪いところはどこにもないわ」と、記者の前で口を開いた。

テレビで2局、通信や新聞のカテゴリーで3カ所、ミックスゾーンで最低でも5カ所で口を開いた。最後も笑顔で、「聖火の話を聞いたときは、もうびっくりしちゃった」とご機嫌。「信じられないほど名誉」と微笑んだ。

夢に見た五輪の最初のポイントは、時速168キロのセンターへのサービスエース。速度はそれほどでもないが、大坂らしい幕開けで、第1ゲームだけで3本のエースをたたき込み、6ポイント連取、5ゲーム連取と圧倒した。

第2セットこそ少し手こずったが「夢だった」舞台で、1度も自分のサービスゲームを落とさず。吉川真司日本女子代表コーチも「滑り出しとしては本当にいい出来」と満足そうだ。

最大のライバルと見られた女王で第1シードのバーティ（オーストラリア）が、1回戦で敗れる大波乱があった。流れは大坂にある。2回戦は同50位のゴルビッチ（スイス）が相手だ。初対戦だが、大坂の夢の金ロードに死角はない。