東京オリンピック(五輪)レスリング女子62キロ級で、金メダルを獲得した川井友香子(23=ジャパンビバレッジ)が5日、一夜明けて会見を行った。

「本当に金メダルを取ることができたんだと少しずつ実感しています」。57キロ級の姉、川井梨紗子が会場で見守った。「試合の途中で『見てるよ』という声が聞こえて、どこにいるか分かった。言葉というよりも、姿だけで力になりました」と姉に感謝した。「決勝戦後はちゃんと会えてないので、これからゆっくり会って、しっかり勝てたよ、と報告します」。

姉の梨紗子はこの日、行われる57キロ級決勝で姉妹金メダルを目指す。「姉のアップの相手をすることになっています。2人でずっと金メダルを目指してやってきた。いるだけで力になると思う。試合ぎりぎりまでそばにいて、力になれば」と全力でサポートするつもりだ。

金メダル獲得の要因をいくつか挙げた。「延期になった1年で技術だけでなく、フィジカル、気持ちの部分も一から強化した。すべて強化できたと思う」と分析。母親が作るミルクティーを飲み、さらにベルギーワッフルを食べて試合に臨むことも、試合前の“ルーティン”だ。「会場近くのホテルに家族が滞在していて、ミルクティー、おにぎり、ワッフルをフロントに預けてもらって、しっかり食べました。いつも通りのことができたので、平常心でやれました」。家族の協力にも感謝した。

新型コロナウイルス感染拡大が収まらない中、大会の延期や中止を望む声もしっかり受け止めた中での出場だった。「世の中が大変な状況で、さまざまなご意見があるのは分かっています。その中で大勢の方にご理解をいただき、協力いただいて開催することができて感謝しています。その中で、結果を出すことが代表としての責任。金メダルが取れて良かった」とホッとした表情を見せた。