大勝して、日本がうまく見えたかもしれない。でもこれだけ大差がつけば、わかりますよね。この強い日本が東京オリンピック(五輪)に出るのではなく、弱いジャマイカが東京五輪に来ないだけだということ。引いて守りながらも、9失点した相手が弱すぎた。FIFAランクで日本は28位、ジャマイカは48位だけど、これはA代表の話で、U-22代表世代はもっと開きがある。

この試合の結果が素晴らしかったからと、何人が五輪本番まで残れるのか。このチームを五輪への基盤にしていいのか。今月のE-1選手権も「東京五輪へのアピールの場」などといわれたけど、結局、どんなチームで戦うのか、まだイメージがわいてこない。

オーバーエージ(OA)込みのメンバーを固めるのはいつになるんだろう? 11月のコロンビア戦に敗れて、特に守備面ではOAの必要性はわかったはずだ。少なくとも、3月の親善試合の時にはOAを入れた形で戦い、準備としてほしいと思う。または、海外組を招集できるAマッチで、東京五輪に向けた“完成形”を試してもいい。それでも準備は遅いくらいだ。

来月のU-23アジア選手権で、韓国など五輪出場権がかかるチームは本気で来る。そうしたチームに勝てれば、この日以上の手応えを得られるはずだ。いつも主張させてもらうが、アジアの大会では日本は優勝するしかないんだ。そこで負けているようでは、五輪メダルは難しい。(日刊スポーツ評論家)

U-22日本対U-22ジャマイカ U-22ジャマイカに勝利し笑顔を見せる、左から安部、前田、瀬古(撮影・前田充)
U-22日本対U-22ジャマイカ U-22ジャマイカに勝利し笑顔を見せる、左から安部、前田、瀬古(撮影・前田充)