W杯カタール大会の1次リーグ組み分けが決まり、ワクワクしている。ドイツとスペイン。ベスト8以上という目標を考えると、厳しいのは間違いない。それでも「最高の組」だと思う。

21回のW杯で、優勝経験があるのは8カ国。イタリアの予選敗退で、今回出るのは7カ国だ。そのうち2カ国と対戦できる。優勝4回のドイツと同1回のスペイン。難敵だが、楽しみになる。

日本は過去6大会で21試合しているが、優勝経験国との顔合わせは2回だけ。98年大会初戦のアルゼンチンと06年ドイツ大会のブラジル。今回は初の欧州の優勝国。それも2試合もできる。

物心ついたころから、W杯といえばブラジルとドイツだった。さらにアルゼンチン、イタリア、近年はフランスやスペイン加わった。「W杯らしい」大会になる。それだけで期待は膨らむ。

日本にとっては「死の組」かもしれないが、世界的には「2強2弱」。ただ、第3ポットの日本はコスタリカ(あるいはニュージーランド)との1勝を前提に、どちらかを崩せは可能性はある。多くを想定しなければならない混戦と違い、プランは立てやすくなる。

ドイツの初戦の強さは圧倒的だ。優勝候補がつまずくケースは珍しくないが、ドイツはしっかり勝つ。02年日韓大会はサウジアラビアに8-0。以降も3大会連続4ゴールで大勝してきた。

もっとも、前回大会のドイツは初戦でメキシコに0-1。36年ぶりの黒星発進が響き、初めて1次リーグで敗退した。同じ轍を踏まないのがドイツの強さで、今回はしっかり照準を合わせてくるはず。ただ、仮に日本が引き分け以上に持ち込めば、2強2弱が崩れる。

スペインにもつけ入るスキがありそう。優勝経験のある「強豪」だが、もともとW杯では勝負弱い。10年南アフリカ大会で優勝したが、それ以外はベスト8が最高。準決勝進出すらない。14年大会は1次リーグ敗退で、前回も16強止まり。「勝負弱い」顔が出てきた。

日本では「無敵艦隊」とも呼ばれるが、スペインでは言わない。大航海時代、規模や火力で他を圧倒しながらイングランドの機動力に屈した艦隊のことだからだ。以来、見かけ倒しな外見を揶揄する言葉としても使われているという。

最初に「無敵艦隊」と呼ばれたのは98年W杯予選のころ。31戦無敗と強さを誇ったが、優勝候補にもあげられた本大会は1次リーグ敗退。かつてスペイン通信員は「最後は沈められるんだから、縁起が悪い。でも、スペイン代表らしいかも」と苦笑いしていた。

日本は昨年の東京五輪準決勝で対戦して延長戦の末に惜敗した。W杯では前線の顔ぶれが強力になるとはいえ、ボールを支配しながらゴールを奪えないのもスペイン「らしさ」。最終戦で突破を争う展開なら、これほどしびれる試合はない。

欧州ネーションズリーグが始まり、アジアの日本が欧州の代表と対戦するのが難しくなった。だからこそ、W杯は貴重な舞台だ。ドイツとスペイン相手にどんな戦いをするのか。最高の組み合わせに、ワクワク感が止まらない。【荻島弘一】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)

ドイツのフリック監督(ロイター)
ドイツのフリック監督(ロイター)
日本はスペインとドイツ同じE組に入った(ロイター)
日本はスペインとドイツ同じE組に入った(ロイター)
スペインのルイス・エンリケ監督(ロイター)
スペインのルイス・エンリケ監督(ロイター)