<アジア杯:日本1-0オーストラリア>◇29日◇決勝◇カタール

 日本(FIFAランク29位)はカリファ競技場で行われた決勝でオーストラリア(同26位)と対戦。0-0のまま突入した延長戦の末、勝利した。

 DF長友佑都(24=チェゼーナ)がFW李忠成(25=広島)の得点をお膳立てする好クロスで優勝を導いた。延長後半4分、相手DFを振り切って左サイドを突破。勢いのまま左足でゴール前へクロスを上げた。このボールを李が鮮やかな左足ボレーシュートで応えた。

 ザッケローニ監督は後半11分、MF藤本に代えてDF岩政を投入。左サイドにDF今野を配置し、長友を左MFに上げた。長友の攻撃力を生かしたザック「采配」に見事に応えて見せた。同21分には左からのクロスをFW岡崎がヘディングで合わせたが、惜しくも外していた。

 昨季移籍したセリエAチェゼーナでも、主力としてチームをけん引。所属していた東京時代に比べ、クロスの精度が格段に増した。アジア杯前には「精神的な支柱になれる選手になる」と気持ちを高ぶらせてピッチに立った。すでにイタリア語も日常会話はマスター。昨秋、イタリアに観戦に訪れた母の美枝さんと姉の麻歩さんは、チェゼーナの町を案内された際、地元ファンと流ちょうなイタリア語で会話する息子に驚いたという。

 試合後には負傷で帰国した香川の10番のユニホームをサポーターに掲げて喜びを表現。仲間思いの一面も見せた長友が、日本代表で成長を見せつけた。