サッカー日本代表が悲願のW杯初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」から16日で20年となる。98年フランスW杯アジア最終予選、アジア第3代表を懸けたイランとのプレーオフ。岡野雅行のゴールデンゴールに日本列島が歓喜に揺れた。当時の選手たちは何を思い、今どう感じているのか。今日と明日の2回にわたり、今も語り継がれる激闘を振り返る。(敬称略)

 

 後半18分までピッチに立ったFWカズ(三浦知良=50、横浜FC)は、その後のW杯出場はかなわなかったが、この一戦を「誇り」と表現した。日本の6大会連続の出発点はここにある。「本当に扉を開いた一戦だったと思う。そこに立ち会えたこと、自分が現場にいて戦ったというのは誇りに思いますし、幸せに思いますね」。日本から駆け付けたサポーターがホームのような雰囲気を醸し出してくれた。「日本の何が何でもW杯に行くんだ、というみんなの気持ちが、最後の最後、岡野のゴールにつながった」と振り返った。

 現役はカズと中山、川口、楢崎の4人のみになり、名波や呂比須らは監督になった。ストイックに練習に励む50歳のレジェンドは自らのことは脇に置き、「選手は自分のことだけ考えて、自分1人で高めていけばいいですから。監督はみんなの人生を抱える意味でものすごい重い責務だなと。僕にはとてもじゃないできない仕事」と苦笑する。

 J2長崎をJ1に導いた高木の名も挙げ「高木も(ジョホールバルには)いなかったですけど一緒に戦ったメンバー」とし「若かった同士たちが、立派すぎるぐらいチームを率いて尊敬しています」と敬意を表した。歴史を刻んだイレブンは、間違いなく今も日本のサッカー界の中心にいる。