日本はブラジルに善戦したが、0-1で敗れた。35歳のベテランDF長友佑都は右サイドバックで先発した。マッチアップしたのはブラジルの21歳FWビニシウス。欧州チャンピオンズリーグで優勝したレアル・マドリードでプレーする気鋭の相手をしっかり抑え、後半18分でベンチに退かせた。
長友は「相手が強くなればなるほど、自分の実力を発揮できると(戦前に)言っていたが、モチベーションもすごく高かった。ビニシウスに絶対に仕事をさせないと強い気持ちで入った。みんなのサポートもあり、彼にそこまでは仕事をさせなかった。その部分に関しては満足している」と手ごたえを口にした。
左サイドバックが主戦場だが、最近は所属のFC東京でも右サイドバックでプレー。後半にはMF伊東との連係で右サイドを突破し好機のクロスを供給した。
「自分自身、右も左も出来ると自信を持っていた。ただ、レギュラー争いの部分では、左も右もいい選手がたくさんいる。毎回、生きるか死ぬかの戦いですけど、今日は特に、守備が出来なかったり1対1で負けていたら世界では通用しない、終わりだ、という気持ちで臨んでいた」と背水の陣で臨んだことを明かした。
ワールドカップ(W杯)カタール大会でベスト8の目標を達成するには、ブラジルのような相手から勝ち点を奪う必要がある。
前回ロシア大会のベルギー戦のように、善戦はするが勝ちきれない状態が続いている。だが、長友は「正直、僕が今まで対戦したブラジルは、まったく手も足も出なかった。まったく太刀打ちできなかった状態。ブラジル戦は常に悲壮感を感じていた。今日は1点差で負け、1点差以上の差はあったと思うが、今まで何も出来なかったブラジル戦と比べると、僕自身は手応えを持てた試合だったと思います」と前向きだった。
強豪に勝ちきるために必要なことを問われると、ポゼッションの質と精度とともに「個の力」と明言した。
「チームのパスワークでアタッキングサードまではいけるが、最終的な個の部分で相手をはがせなかったり。それはサイド、中盤での攻防もそう。そこは大きな差をブラジルとは感じる部分。だからこそ、1人1人が個ではがすという。取られてもいいから、勝負しに行く強気な姿勢を見せていかないと難しくなっていく。最終的な個の力を伸ばさないと厳しいなと思います」と、半年間への課題を掲げていた。