【シドニー(オーストラリア)24日】アジア杯8強に終わった日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)の去就について、成田空港に到着した大仁邦弥会長(70)は「今のままなら」と、条件付き続投の考えを示した。連覇を目指した同杯で8強というふがいない成績に終わり、今後アギーレ監督の手腕について技術委員会を中心に評価作業が行われる。また、八百長問題では、スペイン司法当局の告発状受理の有無のゆくえも含め、依然微妙な状態が続く。

 帰国した大仁会長は、改めてアギーレ監督の続投について聞かれると「そうですね。今のままなら」と答えた。また、告発状の受理が焦点になっているが「まだ受理されていないと報告を受けている。受理されなければ何の問題もない」と発言した。あくまでも続投のためには、告発状が受理されないことを前提に、条件付きの続投であることを感じさせた。仮に受理された場合、協会として判断材料になるとの認識を明確にした。

 大仁会長はシドニー空港を飛び立つ前にも報道陣の質問に応じている。アギーレ監督の戦いぶりには「ここまで持ってきたのはさすがだと思った。いいチームになっている」とし、解任はないか、との問いに「私の判断では(ない)。技術委員がどう言うかは分からないが、いいサッカーが出来ていると思っている」と発言した。

 アジア杯8強は、日本代表としては敗退を意味するが、続投の基本方針から、アギーレ監督のチーム作りを評価していることを強調。中3日のUAEに対し、日本は中2日。「言い訳ではないが、中2日という部分は、鋭さや正確さには影響があった。ただ、内容的にはチャンスを多く作れていた」と、日程面を引き合いに、苦戦した代表チームを評価した。

 八百長疑惑に関しては、14日に現地メディアに告発状受理と一斉に報じられたが、日本協会の調査では現時点では受理されていないという。「受理されたら、という前提でアジア杯期間中は封印してくださいと言っていた。現在、正式に受理されたということは確認できていない。毎日確認している。受理されないことを願っているし、現状ではアギーレ体制でやる」と話した。受理の有無によるアギーレ監督への対応の違いについては、「その時点で協会の考えをお伝えします」と話すにとどめた。

 今大会を通じて付きまとった八百長疑惑の影響は、アジア杯後も続く。告発状が受理され、本格的な捜査が開始されれば、スペインでの聴取は避けられない。

 アギーレ監督は国内組といったん日本に戻り、2月に入ってからスペインに渡る予定もあり、渡欧日程は調整中。8強敗退のふがいない結果もあわせ、解任と背中合わせの微妙な状況に変わりない。<八百長疑惑

 大仁会長コメント経過>

 ◆14年12月20日

 「今、向こう(欧州)に人を行かしているので、その辺(八百長問題)についての情報も入ってくる」

 ◆同12月28日

 「(アギーレ監督が主張した)推定無罪は、法律ではそう(原則)ですから。その前の段階として告発が受理されても、情報を集めて、いろんな対応ができるようにしていく」

 ◆15年1月15日

 「アジア杯期間中は、この件について我々は封印したい。アジア杯が終わったら、告発状受理についての日本協会の考え、対応について説明します」

 ◆同1月23日

 「告発状が受理されたのが確認できれば(アジア杯後に対応を)やります。ただ、まだ協会として確認できていないので」