山形を運営する株式会社モンテディオ山形が12月1日に臨時取締役会を開くことが19日、分かった。目標に掲げていたJ1残留を逃し、株主から、高橋節社長(65)に対する責任を問う声が出ている。高橋社長は事実関係を認め、臨時取締役会で自らの進退を問う姿勢を見せた。

 山形に突如、社長退任騒動が勃発した。この日、高橋社長は事務所内で取材に応じ、株主からJ2降格による責任を問う声が出ていることを認めた。「事実です。そう言わざるを得ない。いろんな形で、話が出ている。目標のJ1残留は達成できていない。そのことに対する責任、それをどう考えるんだという声はある」と明かした。

 J2降格前の10月21日に石崎信弘監督(57)の続投を発表したことで、結果的に責任の矛先が高橋社長に向けられた形だ。「株主からそういう話が言われるまでもなく、目標達成できてないのは私も分かる。石崎監督の続投を判断したのは私。監督には責任のあるなしを問わず続けて欲しい。社長に目が向くだろうなと思う」と話したが、現在のところ引責による退任人事は発表されてはいない。

 株式会社モンテディオ山形は3株主で構成される。山形県スポーツ振興21世紀協会が49%、アビームコンサルティングが49%、山形県が2%。高橋社長は県副知事在職中から同協会の理事長を兼務していた。株主との関係性を問われ、「私は現在、民間会社の社長。前職は理事長、その前は副知事」と自身の経歴を語りつつ「協会は、県の会員などがいる。理事長は副知事がやっている。それだけは事実」と説明した。

 12月1日の臨時取締役会次第では、1年以上の任期を残しながらの途中退任の可能性もある。「それは内容次第。引いてとる責任もある。しっかりやっていく責任の取り方もある。我々のようなクラブで単に降格して即、というわけではなく、中身をちゃんと議論して来季に向かうべき。それは間違いなく私が思ったこと」と毅然(きぜん)と言い放った。

 高橋社長の進退次第では、石崎監督の去就にも影響する可能性も出てくる。来季に向けてクラブ一丸となるべき時期に、思わぬ騒動が起きてしまった。