全国高校サッカー選手権の決勝が今日11日、埼玉スタジアムで行われる。初優勝を狙う国学院久我山(東京A)と、17大会ぶり3度目の頂点と全国総体との「夏冬2冠」に挑む東福岡が対戦する。両校は10日、さいたま市内で最終調整した。東福岡は連続優勝した97、98年度生まれの「連覇世代」が、新伝説をつくる。

 2冠が懸かる東福岡は、両サイドからの攻撃やバイタルエリアに壁をつくるセットプレーなどを入念に確認した。

 現3年生は初優勝した97年度生まれだ。帝京(東京A)との「雪の決勝」は伝説的な試合。MF三宅は雑誌でしか知らないが、決勝を前に「雪の中、よく戦ったなと思う。自分たちが生まれた年に優勝し運命を感じる」と奮い立った。当時のMF本山(J2北九州)の背番号10を継承するMF中村主将は「伝統の10番を背負うプレッシャーや責任は大きいが逆にはね返し伝説にしたい」。岡山からサッカー留学したMF橋本、現在3得点で得点王を目指すFW餅山らも当時の強さに憧れ、伝統校の門をたたいた。現2年生も連覇した98年度生まれ。東福岡が全国区になった時代に誕生した自分たちの手で、新しい伝説をつくるつもりだ。

 この日、バレーボールの全日本高校選手権で東福岡が連覇を達成した。森重監督は「金子主将と同じクラスの生徒もいる。刺激はあると思います」。全国制覇へ士気は高まるばかりだ。【菊川光一】