サッカーに多方面から切り込む企画「サッカー ザツガク」セカンドキャリア編の後編は、Jリーグで10季プレーした俳優青山隼(じゅん=29)を紹介します。

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 青山はU-20(20歳以下)日本代表として、07年のU-20W杯(カナダ)に出場した。香川、内田、槙野らと「調子乗り世代」の一員として、闘争心あふれる不動のイケメンボランチとして世界舞台に立った。きまじめで繊細。当時を思い返し「僕は調子乗りの方ではなかったけど」と笑う。徳島で通算6季プレーし15年7月に27歳で引退。しばらく考え、「1回きりの人生。チャレンジしてみよう」と、役者に転身した。

 時間があれば映画を見て本を読む勉強の毎日だが、約1年が経過し、少しずつ仕事が増えてきた。1月公開の映画「新宿スワン2」や2月のテレビ朝日系のドラマ「相棒」に短い時間だが、出演した。ただ芸能界の競争は激しくアルバイトは続けている。「選手の時も、監督の求めるプレーを意識していた」。監督らが求める演技で応えながら、のし上がっていく覚悟だ。

 昨年11月のテレビ番組では、9年前にともに日の丸を背負った槙野と共演した。Jリーガーだったことは、他のどの役者にもない武器。伯母の女優篠ひろ子、作家の伊集院静夫妻からも「やれるだけやってみたらいい」と背中を押された。「選手の時と同じで、少しでも人の心を動かせる、そんな存在になりたい」とでっかい夢を追う。【八反誠】

 ◆青山隼(あおやま・じゅん)1988年(昭63)1月3日、宮城県生まれ。今も仲のいい香川真司はFCみやぎバルセロナジュニアユースの後輩。名古屋ユースから06年にトップ昇格しプロとなる。C大阪、浦和でもプレー。徳島には計6年在籍した。世代別の日本代表にはU-14から招集されU-16では主将も務めた。J1通算7試合0得点。J2通算132試合3得点。183センチ、75キロ。独身。