横浜FCの中田仁司監督(55)は湘南ベルマーレ戦後の記者会見で、3バックから4バックにシステム変更したのは湘南対策ではなく、来季のJ1昇格を含めた、先を見据えたもので、今後は2つを併用していく考えを示唆した。

 「今節よりシステム的にも4バック、我々がスタート当初にやっているシステムに変えて、もう1回、基本的なことに立ち戻ってからやっていこう、リフレッシュしようと臨んだ。イメチェンじゃないですけど、流れを変えたく、思い切ってシステムを変えて戦いを挑んだ。練習でもやりましたけど、選手は理解してくれて、すんなり順応しています。もう少しプレスをかけるというポイントは出来ているし、カバーも出来ている。ミスがあったり判断の遅れで、パスワークがかみ合わなかったりがあった。次に修整していけばいい。修正箇所と出来ているところは、しっかり出ている」

 4月22日のジェフユナイテッド千葉戦の後半に、システムを4-4-2から3-4-2-1に変えると、後半だけで4ゴールを固め打ちして4-0で大勝。そこから、3バックを続けてきたが、約2カ月、リーグ戦では11試合ぶりにシステムを元に戻した。

 “イメチェン”の真意を問われた中田監督は「千葉対策がうまくはまって、その後、3戦連続4得点。攻撃のイメージがすごく湧いたが、少しずつ疲労、けが人が出て微妙にずれたと感じ取った。湘南だから4バックにしたとかは特にない。マンネリ化になって、100%出せるところが80%になる」と語った。その言葉どおり、前節17日のモンテディオ山形戦では0-1で敗れ、21日の天皇杯2回戦でもツエーゲン金沢に0-2で敗れている。

 公式戦3連敗となったが、中田監督は「今後は併用できる。前半と後半、入れ替わっても選手は出来るし、感じ取ってくれれば、もっといける。我々は優勝を目指していますし、昇格したら常に残ってやっていきたい」と、J1昇格を見据えた上での収穫を口にした。その上で「単純に守ってカウンターだけのサッカーで昇格したチームは、全て降格している。私も前チームの徳島ヴォルティスの時に体感したので、上がったら、もっと力強く戦えるようにしたい」と力説した。【村上幸将】