清水エスパルスはアウェーで横浜F・マリノスにリードされる展開も、粘って2-2で引き分けた。FW長谷川悠(30)は、昨季途中で移籍加入後、J1初得点。エースFW鄭大世(33)は今季8点目をマークした。

 スタジアムに集まった約4000人の清水サポーターが、大雨に負けない大声援を上げた。1点を追う前半24分、MF枝村匠馬(30)の右CKに長谷川が、頭を合わせて同点に追いついた。身長187センチ。相手のマークをものともしない高さで決めた1発で、リーグ戦では初めて2トップを組んだ181センチの鄭らチームメートが駆け寄り、笑顔で祝福した。

 長谷川にとっても大きなゴールだ。J1での得点は大宮時代の14年シーズン5月17日鳥栖戦(1-1)以来約3年ぶり。離脱中のFWチアゴ・アウベス(24)に代わりつかんだ先発のチャンスで、結果を残した。

 この日までに、長谷川は「やっと一般人レベルになった」と話していた。昨年7月の加入以降、ケガが続いていた。昨年10月には左第2趾(し)中節骨を骨折。今季も足首の負傷を重ねた。結果、思うようなプレーができなかったが、ようやくリハビリが実を結んで痛みが和らいできた。「2、3年ぶりに思うようなプレーができる。だから、チームを救うようなプレーがしたい」。その思いを、得点という形で示した。

 後半25分には、DF松原后(20)のドリブル突破から抜けだし、最後は鄭が左足で決めて再び追いついた。前半ロスタイムには横浜にPKを与えたが、GK六反勇治(30)がコースを読んでセーブするなど守備陣も奮闘した。J1最少失点を誇る横浜を相手に、ツインタワーの2トップでそろい踏みの2得点。アウェーで貴重な勝ち点1を積み上げた。【保坂恭子】