第1戦を2-3で落としていた川崎フロンターレが、3-1で仙台を下し1勝1敗、2戦合計5-4とし8年ぶりに決勝進出を決めた。東京五輪世代のFW三好康児(20)が先発起用に応え2発と結果を残した。前半29分、MF中村憲剛(36)のヒールパスに抜け出し左足で先制点。後半4分には、DFエウシーニョ(27)のシュートのこぼれ球を押し込んだ。だが、直後にチームは大きな危機に陥った。

 DF奈良竜樹(24)が2枚目の警告を受け後半7分に退場。10人での戦いを余儀なくされた。くしくも、9月のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝・浦和戦と同じ展開に。浦和戦は10人になった後、防戦一方となり浦和に大逆転負けを喫していた。だが、この日の川崎Fは違った。しっかりブロックをつくって守り、隙あらばカウンターへ。鬼木達監督(43)も、裏に抜け出すスピードのあるFWハイネル、FW長谷川竜也を投入し交代カードでも選手に攻めるメッセージを伝えていた。指揮官は「僕自身、ACLを経て学んだことが多かった。守ってという形ではなく、どこかで攻める形を想定した。延長は考えられなかった。90分でけりをつけるためにもそうなった」と交代カードの意図を説明した。

 悲願のタイトルへあと1勝。エースFW小林悠(29)は、サブ組主体で戦い快勝したFC東京の試合も振り返り「(決勝の)チャンスはそう巡ってくるものではない。チームみんなで戦ってここまでこれた。最後も全員の力でタイトルをとりたい。タイトルとってから、本当に強くなったね、と言われると思う」と思いを口にした。