ミシャ流ハードトレがスタートした。北海道コンサドーレ札幌は16日、沖縄・金武町でキャンプ2日目を迎えた。この日から午前と午後の2部練習で、キャンプが本格化。夕方4時半前から行われた午後練習は約2時間、日が暮れるまで続き、選手を鍛え上げた。ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)は「入り口にすぎない」と、さらに厳しさは増すと予告した。

 すっかり太陽は沈んでいた。ボールを追う札幌の選手の姿が、遠目では判別しにくくなっていた。約2時間の午前練習を終え、夕方に始まった午後練習。攻撃練習など、ひと通りのメニューをこなしてからのミニゲームは、約30分間続いた。午後6時半ごろ、引き揚げる選手からは「マジ、キツイ」の声がこぼれた。合わせて1日約4時間の練習で、本格的なキャンプがスタートした。

 頂点を目指すからこその練習量。練習時間の長さについて報道陣に質問されたペトロビッチ監督は切り返した。「(長いか短いか)どう思いますか?」。「まだまだ今日のトレーニングは入り口に過ぎない」と言い切った。メニュー内容も「過去のチームでもよくやっていた練習」と話すとおり、広島や浦和時代と指導スタイルは変えない。キャンプのオフ日も事前に設定していない。2クラブを率いたときと同様に、ハードなトレーニングを求めていくつもりだ。

 ミシャのカラーがはっきり映った1日だった。午前中のメーンだった8対8のパスゲームは、ボールタッチ数が指示された中で行われた。攻撃を重視した実戦的な練習が多いのも、追求するテーマが変わらないからだ。そんな練習も札幌の選手にとっては新鮮で、MF小野は「まだ慣れてないから動きが難しい部分があったけど、楽しくやれた」と笑顔を見せた。

 クールダウン中の選手や報道陣にまであめを配るミシャ名物も健在。新加入のMF白井は口にほおばりながら「シークワーサー味でした」。「選手は息子」とかわいがる指揮官の愛は、キャンプ2日目からたっぷり注がれていた。【保坂果那】