ベガルタ仙台は26日、元日本代表FW平山相太(32)の現役引退を発表した。FC東京から仙台に完全移籍した昨季、開幕直後の練習で左くるぶし付近の腱(けん)を脱臼。故障の影響で試合に出場できなかった。昨年12月に全体練習に復帰したが、同じ箇所を痛め、15日からの沖縄キャンプには帯同せず、仙台で治療を続けていた。度重なる負傷で今季開幕を待たずにピッチを去ることを決意した。

 怪物と呼ばれた大型FWが、現役生活にピリオドを打った。平山はクラブを通じて「度重なるけがのため、現役から退き、引退することを決断いたしました。開幕前の大事な時期にクラブに迷惑をかけてしまうことを申し訳なく思っています。また、決断を尊重してくれたことに感謝しています」とコメントした。

 昨年2月25日の札幌とのホーム開幕戦でベンチ入りしたのが、最後のユニホーム姿だった。同年3月の練習中に左くるぶし付近の腱を脱臼して手術。全治3カ月と発表され、公式戦の出場はなく、シーズンを終えた。復帰を目指し、昨年12月に全体練習に合流したが、再度同じ箇所を痛める不運に見舞われた。度重なる負傷で復帰のメドが立たず、2月25日の開幕を前に引退を決意した。

 平山は長崎・国見高時代に全国高校選手権でゴールを量産し、身長190センチの大型FWとして注目された。ヘラクレス(オランダ)を経て06年から東京でプレー。11シーズンを過ごした古巣へも「喜び、楽しさ、悔しさ、悲しみ、たくさんの思い出があります。多くの方々との出会いも宝物です」と思いを伝えた。

 キャンプ直前に平山から引退の意思を伝えられた仙台の渡辺監督は「本人が一番つらい思いをしているのにチームに迷惑をかけて申し訳ないと言ってくれた。怪物と呼ばれた男をよみがえらせるために何とかしてやりたかったが最後は意思を尊重しました」と話した。