H組の鹿島アントラーズがシドニーFCを2-0で下して2勝1分けでH組首位を守り、1次リーグ突破に大きく前進した。直近のJリーグG大阪戦から先発8人を入れ替え、前半40分にMF土居聖真(25)が先制し、後半42分にはDF植田直通(23)が加点した。16日間で5試合の過密日程に総力戦で臨み、敵地で勝ち点3を手にした。

 鮮やかにして華麗だった。前半40分、右CKから流れたボールを、FW鈴木が左足で振り抜いた。シュート性の弾道がゴール前に来る。その軌道を、土居は右足外側で軽やかに変えてみせた。敵地で総力戦で戦う鹿島に、勇気と勢いを与える技ありの先制弾だった。

 南半球で秋のオーストラリア・シドニー。山形市出身ながら「寒冷じんましんで手先、足先は冷え性。雪国出身とは思えないほど抵抗力がないんです」という昨年の「イケメンJリーガー選手権」王者にとって、気温20度ほどのピッチは絶好の環境だった。「素晴らしい試合」と胸を張った。

 オーストラリアAリーグの昨季覇者を相手に、大胆に挑んだ。3日のG大阪戦から中3日。過密日程を考慮してDF昌子やMF小笠原、FW金崎、ペドロ・ジュニオールは同行せず、MF遠藤、FW安部のけがもあって先発8人が入れ替わった。

 ただ「メンバーが代わって負けたと言われたくなかった。そういう意地が全員にあった」と鈴木。クォン・スンテと正GKの座を競う曽ケ端が2度の好セーブで救い、DF犬飼とFW山口は公式戦デビューを飾った。後半42分に加点したDF植田は「みんなのやる気がすごくて、今日は相手がどこでも勝つと思っていた」。価値ある勝利に、大岩監督は「出た全員を高く評価している」とたたえた。