適正ポジションで本領を発揮する。J2アルビレックス新潟は30日、第7節ロアッソ熊本戦(4月1日、熊本・えがお健康スタジアム)に向けた練習を聖籠町のクラブハウス練習場で行った。

 試合形式の練習では、これまでの4-4-2から3-6-1にシステム変更。MF加藤大(26)がトップ下に入った。3バックは愛媛に期限付き移籍していた12、13年に経験し、結果を残した。相性のいい布陣で力を見せ、チームの今季初の連勝に貢献する。

 躍動した。ボールが前線に出ると同時に、MF加藤は、鋭い出足でキープ。そして自分を追い越していく味方に預けた。ゴール前に出たパスに反応し、シュート体勢にも入った。

 「違和感はないです」。11対11の試合形式。加藤のポジションは3-6-1のトップ下、ツーシャドーの右。1トップのFW矢野貴章(33)、もう1人のトップ下、FW河田篤秀(25)と流動的にプレーした。

 開幕から右サイドハーフでスタメンが続く。ただ、本職はボランチ。中央でのプレーは得意だ。愛媛時代、3-4-3の右FWだった。13年には自己最多の9得点をマーク。この時も右から中央に切れ込んで、攻撃のアクセントになった。「僕はボールにたくさん触ることで、リズムができるタイプ」。3バック、トップ下でのプレーにモチベーションが上がる。 

 キャンプから通してきた4バックからの変更。鈴木政一監督(63)は「マーキングや、くさびのチェックがだいぶできるようになってきたから」と、その理由を説明した。4バックだった昨季、ゴール前でお見合いするようなルーズな守備から崩壊した。そこから個々の動きの修正を分かりやすくするため、鈴木監督はあえて4バックにし、ボールを奪いにいく意識を植えつけた。前節徳島戦で1-0の勝利を挙げるなど、守備は安定してきた。

 中盤、前線に選手が多ければ、攻撃では近い距離でボールを動かせる。今節の相手の熊本、次節(8日)の岡山と、180センチ以上の攻撃陣がそろうチームが続く。ゴール前に守備陣が3枚そろえば守りやすい。「守備はシンプルになり、攻撃力を発揮できる」。相手に合わせるのではない。指揮官は、チームの進化を感じて3バック導入を決断した。

 加藤にとってもチャンスだ。今季は明確なアシストは1。得意なスルーパスでのものはない。「もっと周囲が動けるようにしたい」と言う。熊本戦は今季初の連勝がかかる。システム変更直後の勝利は自信になる。加藤は「結果を出す」と言葉に力を込めた。【斎藤慎一郎】