フィットネスクラブを運営するRIZAP(ライザップ)グループは6日、都内で会見を開き、J1湘南ベルマーレの筆頭株主の三栄建築設計と合弁会社を設立し、合弁会社を通じて湘南に出資し、経営権を取得し連結子会社にすると発表した。

 瀬戸健社長(39)は、湘南ベルマーレ、三栄建築設計との合同会見の席上で、18~20年の3年間で10億円以上、戦略的に出資していく考えを明らかにした。その上で「2020年までにJ1、天皇杯、ルヴァン杯いずれかの獲得、収容率ナンバーワン、満員のスタジアムという結果をコミットします」と宣言した。

 具体的には「資金面で選手に報いることが出来ず(移籍で湘南を)離れていってしまう。我々が頑張った選手に向き合わせていただく。また資金を提供し、育成に使っていただきたい」と説明。トップ選手の年俸、選手育成、最新テクノロジーの活用、クラブハウスの充実、トレーニングの充実など、側面からのサポートも充実させると強調。胸スポンサーに関しては、引き続き三栄建築設計が務めるとした。

 また、ダイエット業界のリーディングカンパニーとして、最新のトレーニング機器を備え、トレーニング環境を早急に開発し、整えることも約束した。「選手が強くなるためのスポーツギアを、徹底的に選手に合わせて共同開発し、トレーニングマシンも選手、監督と開発していくことは可能」と曹貴裁監督(49)と選手に話を聞いた上でトレーニング機器を開発するのみならず、アスリートの競技力向上メソッドの開発も推進するという。その過程で得た技術や知見を、同社がこれまで一般の顧客に向けて提供してきたボディーメーク、サプリメント、スポーツアパレル事業などに応用し、一般客のパフォーマンス向上のサービス、商品開発にもつなげるという。

 さらに、選手のセカンドキャリアの場も作っていくという。瀬戸社長は「元アスリートが活躍する場作りもします。トップアスリートからトレーニングを受けることは需要があります。20年オリンピック後も踏まえ、大きくスポーツ選手が活躍できる場を本気で創出したい」と選手のセカンドキャリアについても、重要な事業として取り組んでいく意欲を見せた。

 瀬戸社長は、今後の具体的なチーム強化のビジョンを聞かれると「我々は経営…人、ものに限りがある中で成長へのサポートするのが一番。プロフェッショナルに任せるのが、ライザップグループの原則。分からないことに口を出すことは一切ない」、「具体的な話はチームとスタート。どうやってやるかの各論は、監督と選手と作り上げる。細かいことは避けた方がいい」と、サッカーの専門的な部分の強化はチームに一任する考えを示した。「徹底的に寄り添い、どういう課題があるか聞かせていただき、分析する。信頼しないとテクニック、理屈だけでは動いていただけない。学ばせていただくのが1番。今回は大きな方向性を出させていただいた」と、強化に関してはあくまでチーム主導であり、ライザップグループは「側面から支援する資金を提供させていただく」(瀬戸社長)と強調した。

 会見には、曹監督もスカイプで参加し「これを機に、どこよりも面白いサッカーをし、タイトルを取る。監督として精いっぱいやります!!」と力強く宣言した。【村上幸将】