ベガルタ仙台がアウェーで浦和レッズに0-1で敗れ、今季初黒星を喫した。前半5分、浦和FW興梠慎三(31)に先制ゴールを決められ、そのまま逃げ切られた。これで埼玉スタジアムでは4分け7敗と未勝利。1年前の同カードではFW興梠のハットトリックなどで0-7と大敗している。今年は新システムが機能し、後半は仙台ペースで主導権を握って、天敵に生まれ変わった姿を見せつけた。

 0-1で迎えた後半30分、仙台渡辺晋監督(44)は、FW西村拓真(21)に代えてFW阿部拓馬(30)を投入。残り15分で3枚のカードすべて使い切り勝利への執念をみせた。さらに、3バック両翼のDF平岡康裕(31)、金正也(29)が高い位置に顔を出して、波状攻撃をしかける。王者を敵陣にくぎ付けにしたが、あと1歩届かなかった。

 渡辺監督は「立ち上がりの不注意な失点はあったが、残りの85分間は自分たちがやりたいことを表現できていたしリスクを冒して敵陣に入って相手を追い込むことができた。0-7で大敗してから365日がたったが、今日示せたことをチャレンジしていけば、勝ち点も積み上げることができるし悲観するゲームではなかった」と前を向いた。

 後半にMF柏木陽介(30)のシュートをブロックするなど何度もピンチをしのいだMF富田晋伍主将(31)は「押し込んでいた時間が長かったし内容的には悪くはなかった」と手応えを口にした。開幕からの公式戦無敗記録は8で止まったが、進化した姿を、存分に見せつけた。【下田雄一】